絵を描くひとになりたかった 1



















すずはらです。





描きためて あちこちで公開した絵を



日常のあれこれや 個人的な思い出話とともに



まとめていきます。



※記事を書いてからもう10年くらい(以上?)経っているものもあります。



「こどもたち」もすっかり大きくなり、黒猫のやまとも16歳となりました。





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1 好奇心














なんにも ない 空間を



そんな目して見るときがある。





きっと、何か いるんだね。





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2 凧 ひっかかる














ひろいところまで 行けばいいのに



そんなところで 凧 揚げて。





ひっかかっちゃった 凧。



高く 高く 舞いあがれなかった 凧。





それは なんだか 日頃の じぶんみたいで。







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3 何の夢 みてる?












遠い 遠い 記憶の中の



まだ 目も開かない 子どものころの



草のにおいと 風の香り





コンクリートのベランダで



猫の見る夢 ひとつ 見つけた





─・・・─・・・・─・・・─・・・・─・・・─・・・・





うちの猫は 室内飼いです。





いつも、窓からじいっと 外を眺め



しっぽをゆさゆさゆすったり、突然ぷわーっとふくらましたり



急に移動して 別の窓へ走ったりしています。





小さい頃から、大変無口な猫だったのですが、最近



「ごはんー」に続き「窓開けてくれー」



「窓開けてくれー」



「ドア開けてくれー」



と、大きな声を出すようになりました(もちろん猫語です)



遅ればせながら モノゴコロついたような。





誰かが外に出ると隙をねらって 飛び出して行くことも増えました。



けれどそういう時も、少しして 様子を見たら



隣との間の塀の上で 情けない顔のまま、固まっていたりします。



どうも外の楽しみ方がいまひとつ解らないようです。





なんだか不憫。





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4 くろいぬ










ほんの数年前のことでも何だかずいぶん昔のような気がする。



5年ほど前になるだろうか、



おうちを作って 壁紙に凝り 入口を毎月 新しい絵で飾って



借りてきた掲示板を取り付け そこに絵日記を描いて 友達を呼んだ。



・・・・・HPの話である。







消し方さえ解らない自分のHP。



久しぶりに見に行くと 以前なかった広告が入ったため、レイアウトが崩れたまま



廃屋と化していた。



広い広いネットの海に漂っている壊れた船のようでもある。





黒いラブラドールを飼っていた詩を書くあのひと。



今はどうしておられるだろう。





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5 花見のこと














あっという間に桜の季節も終わってしまいました。





今年は寒かったり暑かったり 毎日クルクル変化する。



雨もハンパじゃなかったし。



片づけたセーターをまた引っぱり出した。





この春一度だけのお花見の日は



冷たい風が吹いていて 震えるほどでした。



クーラーボックスに 発泡酒とか冷たい紅茶とか張り切って用意したのに。



熱いコーヒーで手を温めながら 肩寄せ合い



せっかくだから・・と ベンチでおしゃべりしたけれど 肝心の桜はほとんど目に入りませんでした。







残念。





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6 こいのぼり












気がついたら5月だった。





向いの家のベランダに こいのぼりが揺れている。男の子は そろそろ4年生くらいだろうか。





よその子の育つのは何だか早く感じる。



この間 生まれたような気がするのにね。





うちにも こいのぼりはあった。



あった・・のか ある、のか定かではない。



もしかしたら まだ どこか押入れの奥とか ベッドの下にあるかもしれない。



こいのぼりは 息子が生まれた年 ダンナの実家からの贈り物で



男きょうだいのいない私にとって 初めてしげしげと間近で見るシロモノだ。





ふーん。



ふーーーん。



サカナだ。



鯉だ。



狭いベランダに取り付けるのか。めんどくせー。



感慨というのが これといってない。





ベランダは狭い上に 横にすぐ壁があって 隣の家の方が前に出ている作りのせいで



風というものが 全くといっていいくらい 通らない。



なので、取り付けるだけ取り付けたもののこのデッカイお魚は でろりんと たれさがったまま どうにもならない。







やっぱり 節句とか季節の行事とかいうものは やってやることに意義を感じていたので



毎年 その でろりんと垂れさがらすだけのために 出したりしまったりを繰り返してきた。





小学校も高学年になって 今年はもう 忘れたふりして出すのサボろうと決めた。



それ以来 無理な努力は辞めている。





それでも 楽しんで出した思い出というのもあって 子どもたちに 「着る」ことを許可したら 



喜々として 鯉にもぐりこんだり 被ったり。ちょっと 笑えるファッションショー状態にも なった。



まあ、そんな時間が持てたことだけでも こいのぼり、存在価値はあったんではないかなと思うのだ。





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7たなばた












もう いらないだろう・・と思って準備しなかったその年 



小さい子のいる家々の、たくさんの「願い」を揺らす笹の飾られた玄関を



何だか物足りなそうな顔して横目で眺める わが家の子ども達。





ああ・・



まだ、そういう行事って ひそかに好きだったりするんだ、と 勝手に納得したハハは 慌てて 笹を探しに行った。





その辺に、勝手に切って良い笹を見つけることができず スーパーの野菜売場の脇に 青いバケツに立てられた 最後の一本の もう葉の乾きかけた笹を見つけ 100円出して買った。





せっかく買って帰ったのに、子供たちは、飾り付けを面倒がり 短冊にお願いを書くのを 恥ずかしがった。





結局、無理やり手伝わせ、輪つなぎや星の切り紙をつるし ハハがいくつかの短冊を書いた。





「家族がずっと健康で 仲良くできますように」



毎年 同じ文句だよ



口だけどんどん達者になっていく 子どもたちが言う。



来年はもう 笹なんか買うもんか、と思いながら、それでも 心に書く短冊は、ずっと同じなんだよ、と 



ハハはそうも、思うのだ。







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8 秋のたより










ちゃんと 切手を貼ったっけ・・・



もしかして 知らない内に送料値上げされてて



相手に不足分払わせたかも・・とか



もしかして 住所 違ってたのか?とか



着いたよーの リアクションがないと心配で。





リアルのお手紙は そんな様々な迷いやら 心配やら を引き起こしながら



それでも なんだか ちょっと 楽しい時間を持てて 何より そのひとのために 絵を描こうと思って 



ウンウン悩んだ時間と にやにやしながら 色塗った時間が 



送るものでありながら 贈られた宝物のような時間で



「ありがとう」と コメント入れて 送らせてもらったのでした。





ここを見てくれるひとたちにも 秋のご挨拶です。










色塗りその1










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ぺんぺん草 花束にして

オリジナル小説、随筆など。fc2「stand by me 」から引っ越しました。

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