2014.07.27 11:22失われた時間 取り戻す記憶第53回 Mistery Circle参加作品お題 ●あなたはあたしを忘れてしまった。 で始まり ●話をするということがどれほどむずかしく、どれほど残酷なことであるか、彼女はよく覚えている。 で終わることお題出典 「北の愛人」 河出文庫 著:マルグリット・デュラス 訳:清水徹-----------------------------------------------------------------あなたはあたしを忘れてしまった?水道の蛇口に指を当てわざとまき散らした水に ぶざまに濡れた体操着で突っ立ちながらそいつは ぼそっとつぶやくように言った。マジックで落書きされた汚い机を見た時も 鬱陶しい前髪の隙間から上目使いで見るとまた そいつはオ...
2013.12.11 08:16X'mas GIFTBOX 2013第51回 Mistery Circle 【 MC番外編 お題無し企画 】参加作品です。------------------------------------------------------------1.クリスマスキャロル
2011.05.25 14:08信号待ちの間にTexpoのバトル参加作品。お題は「カーテン、携帯電話、信号」「もしもし 由香子? あたし。うん 今 外」車の音聞こえるけど・・と携帯から由香子の声がした。とたん 引きつっていた頬が緩んだ。泣いてるの?どした?由香子がいきなり聞いてきた。「まさか ばっかじゃないの。泣かないよ」いきなり掛けて来て 何でその言い方よ、流れが見えないよ、何怒ってる? 由香子が聞く。相変わらず察しのいい友人だ。「鼻声?ああ これは 花粉症。そう、花粉症」あたしは答えながら 鼻をすする。アレルギーがないのが 自慢だったくせに。それでも 由香子にはバレバレで ふうん、なんて言いながら 上手く先を促すからついつい こちらの事情なんかを 吐き出してしまう。いつものことだ。「カーテンな...
2011.03.28 14:57キミと帰る場所今年の年末年始はバタバタしてて それよりも ずっと 「お話を創ること」を忘れていました。締切も文字数もちゃんと守れなかったのですが お題だけ借りて 書かせていただきましたこちらへのUP、ずいぶん遅くなりましたが・・・。お話を書くワクワク感を 思い出させて頂いてありがとうございます。(3つのお題は「初詣」、あと何だったか忘れてしまいました。
2009.06.11 22:41絵を描くひとになりたかった1TEXPOではお題で絵を描くという機会もありました。同時に他のサイトでも日記に絵をつけてUPできたり コラムを書いたりと 様々なSNSやコミュニティがありました。残しておきたくて パブーでまとめています。以下のリンクからどうぞ。
2009.04.10 07:42つきのかけら 他 (TEXPO100字バトル)【つきのかけら】やり切れなさに、月を思いきり蹴り上げた。水溜りの中、月は微かに揺れ、元に戻る。跳ねた雫を被った馬鹿な自分を罵った。服についた雫がきらり光る。月の欠片だね。黙って後をついてきた彼女が言った。【昔住んだ部屋】新居探しの人囲み、曰く付きの部屋の話で盛り上がる。こんな日は、確かめに来てしまう。大切な思い出詰まった2DK。あのこのお通夜をした場所。見上げると、灯り点る窓、幸せな家族の気配がした【学生服の箱 開ける】くん、と嗅ぐ。真新しい布の香りだ。深い黒色、曇りのない金釦。誰の形でもない学生服。日々、たくさんのものをしみ染込ませ、3年を終えた時、いい思い出の品になりますようにと、母はただ祈っている
2008.08.09 01:533年後の届け物 (「さかなの目」その2)TEXPO 高速執筆会 お題:「ポストの中に包みが入っていた」で始まること*******ポストの中に包みが入っていた。外でコトリと音がした気がして、窓から玄関先を見たら、駈けていく達也の後姿が見えた。サンダルをつっかけて出て見ると、ポストにその包みの隅っこが引っ掛かって、ふたが少し開いていた。隣に住んでいる幼馴染の達也。いったい何を入れて行ったんだろう。気になって 部屋に持って入るのももどかしく かさかさと包みを開ける。小さな茶色の袋の中に入っていたのはスーパーボール。親指と人差し指でつまんで、空にかざすと 中の小さな金色の粒が陽をうけてきらきら光った。死んでしまった金魚を小さな空き箱に入れ、千波は外に出ていた。つい さっきのことだ。前に...
2008.03.14 23:02電車の教室TEXPO 800字バトル お題「電車、卒業式 歌手」。--------------------------------------------「藤原学級鈍行列車」よそのクラスの子がうちのクラスの前の廊下で、そう言った時先生は怒った。なあ、ナオト、電車の大好きなナオトの、その嬉しそうな顔見てると先生は怒った自分が間違ってたかなと思う。電車が好きだから、長く乗っていられる各駅停車がいいんだね。窓の外を流れる景色を その目でしっかり確かめて、窓から入る風で季節を感じて、カタンカタン走る電車が ナオトは好きなんだ。だからナオトは喜んで その日から教室を電車の絵で飾った。きれい好きのタカシは ナオトの飾った絵がゆがんでたら、きちんと真直ぐに直してくれた。泣き虫...