2005.09.10 07:47めだか─ メダカーノ ガッコウハ・・ドーコ ニー アル・・校外学習に行ってきたジュンペイが 珍しく 大きい声で歌を 歌っている。「何?それ」「おかあさん 知らないの?『めだかの学校』」「変な歌詞。そんな替え歌、流行ってるんだ?」「今日できた。 先生が 歌ってたのを 皆で変えたの。」横で漫画を読んでいた姉のユミは プッとふきだしてしまった。「ヒダカが 歌ったの?それも メダカの歌~?。」つまらないことでも 時々ツボにはまると 笑が止まらなくなる。ユミは身体をよじって ケラケラ笑い続けた。 「ユミちゃん、先生を呼び捨てにしないの。」ユミたち高学年の子が 2年の担任の日高先生を「メダカ」と呼んでバカにしているのは 母親のサエコも知っている。名前も似てるし おどお...
2005.06.29 15:56母 (陽だまりの部屋) 電話の 姉のナミエの声はひさしぶりにおだやかだった。── とにかく一度 お線香くらいあげに 帰ってきなさいよ。大丈夫、もう説教したり説得したりする気も ないからさ。 田舎に残って父母と同居しその条件で結婚相手を探した姉のナミエには 色んなことで迷惑をかけた。語学が勉強したいとか適当な理由をつけて 有起哉が家を出た時,父親は カンカンに怒った。 けれど母親は 姉夫婦が 小遣いとして 月々くれるお金をこっそりためて 有起哉に仕送りし続けてくれた。小さな畑でできた野菜と一緒にそれを送っていたことを後で知ったナミエは 当然だが気を悪くした。 一度も帰らない弟のために そのまま おいておくよりも、小学生になった息子の翔太に 部屋を空けてやって欲しいとナミエが言...
2005.06.18 06:34しゅくだい「おやすみ。」こども達に声をかける。これでやっと、自分の時間だ。コーヒーを淹れるお湯が 沸くまでの間に、リモコンでTVをつける。ドラマが今 始まったところだ。ソファーにゆっくり腰を降ろした その時、パジャマ姿のコウタが リビングに戻ってきた。「寝なさいって言ったはずよ。何時だと思ってるの?」コウタは ドアのところに立ったまま、TVの画面をチラチラ見て 動こうとしない。サトミはパチンとTVを消した。 今 小学生にも人気のあるドラマだとは聞いている。きっとコウタも気になるのだろう。だけど・・とサトミは思う。━ 私なんて、8時半には寝るように言われてた。 高学年になったらいくらなんでも早すぎると思ったけど・・。 テレビ番組は親が選ぶものだったし、...