2019.02.24 23:29さよなら とけちゃったかき氷 シロップをかけただけのかき氷はあんまり好きじ ゃない。抹茶のシロップにつぶあん添えて宇治金時か、イチゴでもせめてミルクぐらいかかってたらな と思う。でも、「タケル君」と向かい合って座っても、何を喋ればいいかさっぱり解らないから、黙々と食べた。黙って食べたら余計、頭がキンとした。「ふう、一気に食べちゃったよ、美味しかったぁ」わざとらしいくらいのテンションで言ってみる。タケル君は スプーンでかき氷の表面をぺたぺた叩くばかりで、器の中はちっとも食べた様子がない。氷はほとんどピンクの色水になっていた。──感じ悪っ。せっかくママが用意したのに。ちょっと睨んでやる。何でこんな子と急におやつ食べることになったんだ。 その日、向いの芳子さんは腰を痛めて病院に行った...
2019.02.18 02:33《 公園の童話 》より(3話抜粋) はじめに「その公園には年寄りの それは立派な 桜の木があります」という始まりの、桜じいさんが主人公のお話をblogにUPしたのはなんと2006年、物語を書いたのはそれより以前になります。初めてお話を書いてみようと思い、完成させたのはまた別の、天使が出て来る物語でした。(もともとのHPを消してしまったため、原稿も部分的にしか残っていません)。子供向けの童話の形、絵本の文体で書きましたが、対象は特に「こども」を考えているわけではありません。(私の書くものは大体そうなのです)。書きたいから書くので、どうぞ響く人がいますように、そんな感じでしょうか。1作目を飛ばし、黒猫愛のにじみ出る三作を選んで今回投稿させて頂きました。1 《 ベンチ 》