2006.04.23 11:45スペシャルうっすらと鼻の頭に光る汗。 まだ2歳のシュウ。 安心しきった寝顔、正確な寝息。 私は朝の光に目を細め 窓の外に目をやった。 ひび割れたコンクリートの壁、 伸び放題の雑草は小さな花をつけ、 さびた色の遊具は風に揺れている。 どれも、昔ここで響いていたこどもたちの声を 懐かしんでいるみたいだ。 簡単な荷物を鞄に詰め、シュウの手を引いて家を出た。 走り来る電車の前に 飛び込む勇気もなく 渡りきってしまった 踏み切り。 その先をぼんやりと当てもなく歩いているうち 迷い込んだ 人気のない団地の残骸。 広がる廃墟。 ここは どこだろう。 これから どこに向かえばいいんだろう。 物干し...